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TOM防水とは(防水バリア工法)

- TOM防水とは、真空成形の原理を利用したTOM成形から派生した新しい画期的な防水技術です -

【TOM防水】とは当社が開発したTOM成形を使い、加飾するためのフィルムを透明フィルムに置き換え、従来の防水技術である樹脂ポッティングやディッピングなどに代わる防水処理工法として注目を集めております。

例えばプリント基板やセンサー・カメラに薄い透明フィルムを3次元に封止することで、見た目や重さを殆ど変えずに【防水・防塵・防錆・防虫・耐震・耐薬品性・防汚・耐食性・耐候性・反射防止飛散防止・電磁波シールド】などの機能を付与することが可能です。
そして製品の改質や機能向上を達成する事が可能となります。

防水バリア加工「TOM防水」処理を行ったプリント基板
防水バリア加工「TOM防水」処理を行ったプリント基板

実物

従来の工法
樹脂ポッティングでケース内に樹脂を流し込んでいます
TOM防水
※当社で実績のあるフィルムはIP67規格対応です

イメージ図

従来の工法
TOM防水
IP67 とは   IPは電気製品の防水・防塵性能を表す規格です

■ IP67 の前の数字は防塵等級を表しており、6は粉塵が内部に侵入しません。

IP67の説明ー粉塵が内部に侵入しない

■ IP67 の後ろの数字は防水等級を表しており、7は一時的に一定水圧の条件で水没させても内部に浸水しません。

IP67のせつめいー一定水圧の条件で水没させても内部に浸水しない

TOM防水が従来の工法と比べて優れている6つのポイント

  1. 1. 製品の見た目や重さが元とほとんど変わらない      
  2. 2. 溶剤を使用しないので環境に優しい      
  3. 3. 樹脂を流し込むケースが不要      
  4. 4. 小物製品なら一度に多数個作成できる      
  5. 5. 2液調合・脱泡・乾燥が不要なので、製造工程が速くなる      
  6. 6. 使用するフィルムの機能により、製品にフィルムの機能性を付与できる      
TOM防水加工(防水バリア)を行ったプリント基板

基板の見た目や重さが元と殆ど変わらない

薄い透明フィルムを成形(貼り付け)するため、見た目や重さを殆ど変えずに【防水・防塵・防錆】などの機能を付与することが可能です。

TOM防水加工(防水バリア)で樹脂ポッティングが不要に!

製造工程が速くなる

フィルムを使用するので、2液ウレタン調合の手間・脱泡・硬化させるための乾燥が不要なので製造工程が速くなります。
また液体ではないので流し込むためのケースも必要ありません。

TOM防水加工(防水バリア)で成形するフィルムの機能性を加工する製品に付与できます

機能性を付与できる

使用するフィルムの機能により、プリント基板にフィルムの機能性を付与できます。 例えば、耐候性・耐薬品性など。
また、コンデンサなどの固定・飛散防止・ブラックボックス化も可能です。

   上記特徴を活用して、電子機器や照明設備の基板防水処理として【TOM防水】の採用が進んでいます。

プリント基板へのTOM防水を例に成形プロセスを紹介

成形機の断面図と構造図

TOM成形機の上下ボックス位置
TOM成形機の上下ボックス内の構造

01プリント基板とフィルムをセット

上治具にプリント基板などをセットして、その上に透明フィルム(水色部分)をセットします。
①クリップケースと加飾フィルムをセット

02上ボックス降下

上ボックスが下降してボックス内は気密性が高い空間となります。
②上ボックス降下

03上下ボックス内真空吸引とヒータ加熱開始

真空ポンプで上下ボックス内を同時に真空状態にします。 上ボックスのヒータでフィルムを加熱します。
③上下ボックス内真空吸引とヒータ加熱開始

04テーブル上昇

テーブルが上昇してプリント基板がフィルムと接触します。
④テーブル上昇

05上ボックス内大気開放

上ボックス内の真空状態を開放して大気圧を入れると、大気圧でフィルムが押され、プリント基板の形状にフィルムが密着します。
⑤上ボックス内大気開放

06上ボックス内加圧(圧縮空気)

さらに上ボックスに圧縮空気を入れることで空気の力で強く押さえることになるので、フィルムの形状追従性と密着力が向上します。
⑥上ボックス内加圧(圧縮空気)

07プリント基板とフィルムの取出し

下ボックスに空気を入れて大気圧に戻します。上ボックスが上昇します。受治具からフィルムを成形したプリント基板を取出します。
⑦クリップケースとフィルム取り出し

08【別工程】フィルムトリミング加工

フィルムの不要部分を刃物にてハンドカットまたはLTM(レーザトリミングマシン)にてトリミング加工を行います。
⑧【別工程】フィルムトリミング加工

プリント基板成形例

TOM防水加工(防水バリア)を行ったプリント基板

両面TOM防水

USBメモリの基板部分に透明フィルムを成形しています。立てた状態で成形することで、透明フィルムを1回で表裏に成形することが可能になります。

TOM防水加工(防水バリア)で樹脂ポッティングが不要に!

フレキシブル基板へのTOM防水

柔らかいフレキシブル基板(FPC)へのTOM防水も可能です。写真は表裏に透明フィルムを成形しています。

TOM防水加工(防水バリア)で成形するフィルムの機能性を加工する製品に付与できます

ブラックボックス化

プリント基板に黒いフィルムをTOM成形して基板や各部品の形状以外を見えなくしています。

   照明器具・LED基板など採用実績があります。

基板から出るリード線やコネクタ部分の処理

リード線をまたぐTOM防水処理方法

基板からリード線が出ている場合のTOM防水(防水バリア)の解決方法
基板からリード線が繋がれている場合は、フィルムとリード線の隙間からの浸水が懸念されます。
この問題を解決するには…
下向き矢印
基板からリード線が出ている場合のTOM防水(防水バリア)の解決方法
フィルムとリード線の隙間を、アクリル樹脂系のシーリング材で埋めて、TOM防水(防水バリア)を行うことによって浸水を防ぐことが可能になります。

コネクタ部分の非TOM防水処理方法

基板からリード線が出ている場合のTOM防水(防水バリア)の解決方法
コネクタ部分を防水処理しない場合は、再利用可能な詰め物か使い捨て保護キャップを成形前に取付けます。
下向き矢印
基板からリード線が出ている場合のTOM防水(防水バリア)の解決方法
そのままTOM成形によるTOM防水(防水バリア)を行います。
下向き矢印
基板からリード線が出ている場合のTOM防水(防水バリア)の解決方法
最後に不要なフィルムのトリミング処理として、当社開発のレーザトリミングマシンで精度の高いトリミングを行い、コネクタ部分だけフィルムを取り外します。
 ※ 青色部分まで防水加工されています

TOM防水で使用する代表的なフィルム構成

防水バリア加工「TOM防水」処理を行うフィルムの構成

TOM防水で使用するフィルムの材質は【熱可塑性樹脂】を使用した融点まで加熱すると柔らかくなり冷やすと固まる樹脂です。ナイロン・アクリル・ポリカーボネートなどの材質が適材適所で使用されます。

TOM防水が行える成形機の紹介はこちらです
様々なタイプを取り揃えております

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